教習所の休み時間にモンキービジネスを読んでいる。
 レベッカ・ブラウンの「時代の子供」の冒頭にベビードールについての描写がある。
 子供の頃にデパートにベビードールが売っていて、それに興味をひかれたことを思い出した。といっても当時のわしに育児願望があったわけではない。
 そのベビードールは水を飲ませばオシッコをするというだけではなく、付属の黄土色の離乳食っぽいゼリーを食べさせるとウンチをするという機能までついているのだ。それでわしはどうすれば水がおちんちんの方へ移動し、ゼリーが肛門の方へ移動するのかという内部構造は分からなかったが、もしかしてゼリーを食べさせて、ベビードールのお腹を押したりしてみたら、ゼリーがおちんちんの方から出てくるんじゃないかと考え、それを試してみたくて仕方がなかったのだった。
 しかし、そんな女の子のものであるベビードールを欲しがるなんて、格好悪いと思い、何も言わないでいた。
 そんなどうでもいい一瞬のことをなぜ思い出したのかというと、わしが今猛烈な痔に襲われていて、便意をもよおしながらも、トイレに行きたくないなあなんて考えているからだった。
 ボラギノール