扉は閉ざされたまま/石持浅海

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

 メグレや古畑任三郎みたいな犯人の視点から、探偵役によって犯人が丸裸にされていくように進むストーリー展開。しかし、違うのは探偵役が前の二人ほど食えないような毒のある個性を持っていないというところ。とりあえず、続きが気になって気になって、で読み進むのは楽だった。
 が、電車の中で読んでる最中に、座ってるわしの前に立つオバチャンが下げてる紙袋が電車の振動に合わせてわしの顔面にヒットしまくり。反撃として、舌打ちしたり、わざと鼻をすする音を立てたりして、オバチャンに対して嫌がらせを行ったところ、すごい蔑むような目で見られた。ぼかぁ、立てません。

以下感想ネタバレ
 なんとなく、犯人よりも探偵のほうが性格が悪い。というか犯人が前任なので探偵の性格の悪さが目立つというのか・・・
 ようするに、探偵が犯人を脅迫して、強引に恋愛関係になるというのは、ある意味、古畑・メグレにも勝る毒のある個性なのかもしれない。

 ちょっと、犯人の動機がパンチ力が無いような気がしたが、探偵役のドロドロさを引き立たせるのにはちょうどいいのかもしれない。