モロッコにいきたい

 中学のときに部活とは別にクラブ活動というのがあった。授業の枠を使って、一人一人の教師が自分の趣味の授業を行い、生徒はそれぞれ好きな教師の授業が受けれた。
 わしは中学のときに妙に仲が良かった、胃腸の弱いスナフキンみたいな顔をした社会科の先生の授業を取った。先生は旅行好きだったので、その授業は旅行計画立案という内容であった。
 つまり、自分たちはツアー会社の企画として架空のツアーを企画し、そのタイムラインやテーマを考えるという内容であった。実際に旅行にいけるわけでもなければ、自分の乗ったこともない電車の時刻表をひたすら読み、バスはいくらかかるか、なんて考えてるわけで正直面白くない授業であったのだが、その癖でたまに頭の中で架空の旅行計画を立ててしまうのである。
 そんなわけで、いきなりふとモロッコにいく計画が頭の中に立ち上がった。特に実行力はないけど。
 カサブランカに降り立ち、サハラの入り口マラケッシュ。世界一複雑な迷宮と言われる町フェズ。そしてタンジェからフェリーで対岸スペインへというかなり魅力的な放浪ルートが浮かんだ。
 去年の入院中にゲッツ板谷の怪人紀行シリーズや、鴨志田穣の本を読んで以来、どこか海外を当てもなく彷徨いたいという妙な欲求を持っているので、いつの日か実現したく思うのだが、どうだろうか。
 そうおもうと、二外でやはりアラビア語をとらなかったことが悔いられる。仕方がないので、今度はドイツ旅行を想像してモンモンしようかしら。