イタリア2-0チェコ

 わしの見たかった身長202cm。チェコの前線に聳え立つ塔、その巨体と緩慢な動作から"ディノ"と異名されるコラーであったが、結局間に合わず。コラーの代わりに奮闘したロクベンツも累積警告でイタリア戦は出場不可。欧州予選得点王のバロシュも怪我でここまで姿を見せていなかった中、イタリア戦を前にしてチェコは登録されているFWのうち3人が出場できない苦境にあった。残り、一人のフォワード、ハインツも身長187cmとは言え、どっちかといえば中央にいるのではなくサイドをドリブルで駆け上がる中盤よりの選手だ。(というか、高原によってHSVを追われトルコまで行ってしまった選手というのがわしの彼に対する思いだった)
 ここまで、前線に高身長の選手をおき、ポストプレーをすることで、2列目の選手の飛び出しが得点原だったチェコにしてみれば、この前線不足は思いもよらない悲劇。
 天才ロシツキーも初戦の2点は良かったが、ガーナ戦は激しいマークにあい仕事をさせてもらえずにいた。

 この試合、鍵を握るのはネドヴェド。一度代表を引退しながら、欧州予選プレーオフで代表復帰を果たしチームの危機を救った男、パヴェル・ネドビェドしか無いと思った。というか、ネドヴェドが突破口を開けば、そのときのヤル気が試合に目に見えて影響を及ぼすロシツキーも、テンションあがってくれるかなと期待していた。
 幸いにして、先発メンバーにはバロシュの名前。奴が…帰ってきた!!そう思った。グッバイ アズーリ!!イタ公はアルプスを越えて国へ帰りやがれ。

 しかし、カテナチオを脱却したとは言えイタリアの守備は堅い。ガーナのエシアンに続いて、イタリアのガットゥーゾという泥臭いハードマーカーを背負ったロシツキーはテンションが猛烈ダウン。試合序盤にして、まったく攻撃に絡まなくなるというか存在が消える。
 バロシュに対してもイタリアは最低でも2人、3人のマーカーをつけ、ボールを受けても前を向かせない。
 世界最強との呼び名も高かったポボルスキーロシツキーネドヴェドの中盤はネドヴェドの孤軍奮闘の様相を呈してきた。
 要所を押さえるイタリアの守備は圧巻。完全にイタリアのペースであった。ネスタが怪我で前半はやくにマテラッツィと代わった時、わしはほんとにマテラッツィにエリア内でのファールを期待していた。というかそれがバロシュの得点よりも、ネドヴェドのミドルよりも、一番チェコにとって確実な得点手段でしかないように感じたのだ。
 そんなわしの思いもすぐに裏切られる。イタリア1点目。よりによって代わったばかりのマテラッツィであった。
 前半、よりによって若手ポラクがしでかした。二枚目のイエロー。よりによってイタリアにチャンスを与える形に。

 一方でアメリカ―ガーナ戦はガーナ優位という情報。ガーナが勝つにしろ負けるにしろチェコは1点をとることがまず何よりも重要なところだ。
 しかし、試合は後半に入ってもイタリアペース。これはガーナのときの敗戦を思い起こさせるぞ…。ヤバイ。

 途中交代で出場のインザーギ。どこかしら嫌な雰囲気はあった。技巧派のジラルディーノであればチェフが抑えてくれると思っていた。しかし、前がかりになってる状態で、オフサイドラインをくぐることに長けた本能的なインザーギはやばい。かるがると1対1に持ち込まれたら、チェフといえどもそうは持たないだろう。
 その予想はものの見事に当たってしまう。後半40分過ぎ。インザーギがディフェンスラインの裏へ抜け出す。ガーナの猛攻を防いだチェフも抜き去られ、イタリア2点目。チェコにとってこれは敗北を突きつけられたものだった。

 というようなにわかの癖に語るわしのワールドカップ優勝予想国はここで姿を消すこととなった。
 バロシュwwwwwwwwwwwwwwwッウェ