A先生の名推理/津島誠司

A先生の名推理 (講談社ノベルス)

A先生の名推理 (講談社ノベルス)

 トリックが面白い本はありませんか?と先輩に聞いたところ紹介された本。
 レポートと試験が終わったら詳しく書きたいが、これはやべぇ。かなり、やべぇよ。


 深夜の街を恐怖に叩き落した謎の夜光怪人。人々の眠りを妨げる恐ろしい絶叫をあげ、よろよろと夜闇に消えていった。
 住民たちは怪人の姿に恐れをなし警察に通報するが、駆けつけた警察が見つけたものは怪人どころかふたつの死体。
 ひとつは公園の池に浮かぶ水死体。そして、もうひとつは現場近くのアトリエで絞殺された画家。ふたつの死体は間違いなく身元もわれた人間のもの、怪人はどこへ消えたのか。鑑識の撮った写真には幽霊のような白い影。
 怪人はどこへ消えたのか、そしてふたりを殺した犯人は本当に怪人なのか?白い影の正体とは!!?

 他、山頂から忽然と姿を消した小屋。重機も爆薬も使わずにニュータウンの建物をことごとく破壊する怪人、巨人が隠れ住む屋敷。卵型の隕石から生まれた怪生物が次々と人を殺してゆく怪事件。

 奇想天外なトリック好きにはオススメの一冊。「痙攣的」の最後の話での所長の死に方みたいなのが好きな人には特にオススメしたい。

以下、ネタバレ。

 これはすごい。すごい。ってか、もう馬鹿!!かなり笑わせてもらった。トリックこそミステリの醍醐味なり。これでもか、これでもかと起こる奇想天外な事件。
 そして、とってつけたかのような設定を背負ってる安楽椅子探偵A先生。モデルは鮎川哲也と言われてるけど、わしも思っていた鮎川哲也とはかなり違って、かわいいおじいさんにされてしまっているのがコミカルでまた良し!
 いやー、久しぶりにトリックがある、って言える本を読んだわ。