衣装戸棚の女/ピーター・アントニイ

衣裳戸棚の女 (創元推理文庫)

衣裳戸棚の女 (創元推理文庫)

以前から紹介していた本だが、読み終わるのが遅くなった。

 探偵として知られるヴェリティ氏は海へ泳ぎに行く途中、ホテルの窓から部屋に出入りする人影を見る。事件のにおいを感じたヴェリティ氏はすぐにホテルへと駆けつけるが、そこで出会ったのは密室殺人事件。
 窓にもドアにも鍵がかかった部屋の中で射殺されていた男の死体。
 そして、部屋の衣装戸棚の中には手足を縛られたホテルのウィトレス。
 イングランドの海を臨む長閑な田舎町で起こった怪事件に名探偵ヴェリティ氏が挑戦する。


 正直、トリック…というかオチは読めた。これで麻耶あたりなら、事故じゃなくて事故を装った殺人って言うオチをつけるんだろうなと思った。
 なんか持ち上げ方の割には普通の話だった印象。しかし、ミステリマニアのアンソニーシェーファーだけあり、要所を抑えた作品のようにも感じる。ヴェリティ氏とその友人のパーポスことランブラー警部などキャラが立っているし、テューダーなど怪人物が事件を乱すなど、ミステリを面白くする要素は詰まっている。
 南アルプスの天然水を沸かして、新潟魚沼産の高級コシヒカリを丹精をこめて炊いたご飯の上にレトルトカレーをかけて食べたっていうイメージ?