ひつじ探偵団/レオニー・スヴァン
- 作者: レオニースヴァン,Leonie Swann,小津薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
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ある朝、羊たちの放牧地の真ん中にて鋤で串刺しになっている老羊飼いジョージ・グレンの死体が見つかった。
ジョージの羊たちは、グレンキルで一番賢い羊ミス・メイプル、食いしん坊だけど記憶力抜群の"鯨の"モップル、哲学的な性格をしたゾラ、謎の多い黒羊オテロらを中心に自分たちの羊飼いを殺した犯人を捜すことにした。
人付き合いがまったく無かったジョージはなぜ殺害されたのか。
アイルランドの長閑な村を舞台にかわいい羊たちが繰り広げる大活劇。
三毛猫ホームズやそれゆけイルカ探偵のペネロピーなどの動物が探偵役を務めるミステリはいくつかあるが、今回の探偵役は「群れ」だ!
問題は登場人物が多すぎるということ。まずグレンキルの村の住民たち。そして、羊の群れの面々。人と羊と20人(匹)前後いる登場人物を理解するのが難しい。
迷える子羊という言葉があるように、主人公たち羊は人間に対する風刺のようだ。原始的な「村」である羊の群れと実際の「村」であるグレンキルという二つの村を対比しているかのように感じる。
かわいらしい表紙とタイトルから「これはバカな話に違いない!!」と思って購入したけど、なんか中途半端な風刺で笑うに笑えないし、かわいらしいのかかわいらしくないのか微妙なラインな物語。
最後のほうで、羊飼いに本を読んでもらうのが好きな羊たちに対して羊飼いが「じゃあ、明日は『子羊たちの沈黙』を読んであげる」って言うシーンはさすがに噴き出した。ハンニバル・レクターかよ…。