失われた時間/クリストファー・ブッシュ/青柳伸子

失われた時間 (論創海外ミステリ)

失われた時間 (論創海外ミステリ)

クリストファー・ブッシュっぽくしていくなら、これも「失われた時間事件」とかにすべきだ。語呂悪いけど。

屋敷に住む老人と少女。人を寄せつけぬその屋敷からは恐ろしい悲鳴が幾夜も聞こえるという。少女の悲鳴か、あるいは他の何者かの悲鳴か。私立探偵トラヴァースは屋敷へと赴いた。そこで見たものは屋敷に住む老人の他殺死体。時刻は八時八分前。捜査の過程で容疑者は絞られたが、どうしても辻褄の合わぬ十分間が生じてしまう。失われた十分間の謎とは…。アリバイ崩しに定評のあるブッシュによる、最高傑作との呼び声高い逸品。
「BOOK」データベースより

というわけでアリバイ崩しで名を成したクリストファー・ブッシュ少佐の最高傑作らしい。
 しかし、翻訳のせいか分からないけど、なんか何がどうトリックなのかが分からなくなってしまっているのが残念。
 物語の中心としてアリバイトリックがあるのに、これがぼやけてしまったんじゃ、なんか骨の無い感じを受けざるを得ない。
 終盤、アリバイトリックの謎が氷解して感動のシーンっぽいんだけど、読んでて「ん?何があったの?」みたいな反応しかできなかったのは残念至極である。