ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記/藤見 泰高/カミムラ 晋作
読んでからしばらく経つが、思うにチャンピオン、特にチャンピオンRED読者ってコアな人が多い気がするね。(どうでもいいが、漫画読みじゃない人からすれば、モーニング、アフタヌーン、イブニングってまだ、オジサン漫画雑誌に見えるらしいね)
ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (チャンピオンREDコミックス)
- 作者: 藤見泰高,カミムラ晋作
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/06/20
- メディア: コミック
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女子高生にして天才昆虫博士、榎稲穂を中心に現代の都市に潜む虫たちが引き起こす事件を描く昆虫記。
子供だけが食中毒を起こす中華料理屋の謎。日本の生物による死亡事故NO.1のスズメバチの対処法。人気建築家が最先端の技術を凝らして作り上げた家に迫る魔の手。
知らないと怖い昆虫知識満載!
大学のそばの書店に「女子高生vs虫」というポップが揺れていたので、試験をまたひとつ終えた自分への御褒美として購入。これがのちに大変なことへと発展する。
我が家において、婆さんがいきなり謎の虫を繁殖させてしまう事態が頻発しておこる。小豆大の虫が壁一面に張り付いていたり*1アリが家中を這い回ったり*2する我が家。
なんというか、最初の話の虫の描写が効きすぎて、今まで気にしなかった昆虫が気になって夜も眠れなくなってしまったという結果になった。
余談だが、わしの中学校のころ、クラスに砲丸投げでは全国にその名を知らしめるような女の子がいたのだが、クラスの男連中が彼女を驚かすために筆箱にナナフシを詰め込んだところ、授業中筆箱の中で鉛筆に擬態していたナナフシがのしのしと筆箱から飛び出し、女子砲丸投げ全国大会優勝のS田さんを号泣に至らしめたことは記憶に強く残っている。
そんなクラスの卒業文集で、将来有名になりそうな人第一位*3の彼女が泣いてしまうくらい昆虫というものは往々にして、グロテスクなもの。虫博士って小学校・中学校に絶対ひとりはいたけど、あれって死体画像集めてる奴とかと同格なんじゃない?というのは言い過ぎだが常人は目を背けてしまう世界にずいずいと踏み込んでいくような凄みがあった。
そんな昆虫博士の主人公稲穂ちゃんが個人的にツボであるが、彼女の親友にしてメイド服の中華料理屋の娘あずきやら、青年誌の鉄則(?)である萌、エロと昆虫のコラボレートというのが決まっているこの漫画。
ストーリーには少々ツッコミどころ満載ではあるが、昆虫蘊蓄がぐいぐいと読ませてくる。
とりあえず、なんというか、昆虫記とヒロイン萌の間で迷走している感があるのでどっちかに振り切ってほしいところ(わしとしてはエロ要素がもっと欲しい)。