探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶/アークシステムワークス・ワークジャム

探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶

探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶

 度重なる変遷を経て昨年20周年を迎えた神宮寺三郎シリーズ。わしは実を言うと最初の新宿中央公園殺人事件しかプレイしたことがなかったので神宮寺は初めてに近い。
 神宮寺シリーズは現在は携帯アプリでの過去作品のリメイク、新作のリリースがされており、こちらは記念作品としての色合い強く携帯アプリ版の「新宿中央公園殺人事件」「横浜港連続殺人事件」「危険な二人」「時の過ぎゆくままに…」とアプリオリジナルの「アカイメノトラ」そしてDSオリジナルの「いにしえの記憶」。そして、アプリで配信しているコミカルキャラクターになった神宮寺たちのドタバタミステリー「謎の事件簿」から「民俗学者殺人事件」「天使切断事件」「調査写真バラバラ事件」「しぐれ荘密室殺人事件」「クリスマス殺人事件」、オリジナルの「三郎と不思議なホテル」という全部で12作品も収録されたお徳用ゲームとなっている。
 初神宮寺であったがかなり楽しんだ。特に「時の過ぎゆくままに…」は号泣。調べたらこのシナリオはファミコン版あまり変更されていないらしい。そしてシナリオを担当したのは後にスクウェアで『バハムート・ラグーン』『FFⅦ』を担当することになる野島一成。話を上手く纏めるあたりには舌を巻く。同じように野島一成がシナリオを担当した危険なふたりのファミコンディスク版もプレイしてみて、携帯アプリ版と比較をする。野島版「危険な二人」は登場人物が多すぎて、ごちゃごちゃしてくるのが悩みである一方で、携帯アプリ版はいい話にまとめようとして逆に野島版にあったテイストを消してしまっている感じ。野島版のラストの洋子がわしの中でダルグリッシュに向かって泣くコーデリア並みに「ずっきゅううううううん」と来たので、それをDSで再現されなかったのが残念。
 firstheaven君曰くのところ「今の神宮寺は昔の作品に対しての二次創作という見方が強い」と言っていたが、実際にプレイしてオリジナルであったはずの「いにしえの記憶」の内容の薄さには悲しいところ。あとは寺田克哉のイメージの雰囲気に似せようとしているのだがキャラ絵のイメージがだいぶ変わっているのも時代の流れを感じさせる。携帯アプリ版みたく神宮寺の絵は変わらないのに作品ごとに洋子君が違うとかハッチャけちゃってもいいんじゃない?