五月

 JR三河島駅のそばの小さな公園で、テニスボールでキャッチボールをする幼い母子と、その向こうの木陰になったベンチで昼寝をする父親の姿。

 春とは思えない暑い日の静かな住宅街に、その家族の声が車窓のこちらにまで聞こえそうで、私はだるいような姿勢で頬杖をつくのである。

 今年の夏は暑くなる。そんな気がする五月の昼下がり。