夏の文学教室・・・というか三田先生と北村先生

 三田誠広は頭のねじが一本ぶっ飛んでると思った。話は面白かった。わしが普段、授業を受けている北村薫と並べると、やっぱ北村薫は話が上手い、というか頭がいいので、面白い話にも仕込みを感じる。
 それに対して三田誠広は人間として面白い。キャラクターが面白いのだ。だから、これが講演会という形ではなく学校の授業であったら、三田先生に教わるよりも、北村先生に教わったほうが勉強になると思う。
 実際にあった話は実際にあったままに話すと面白くない。話す物事の順序とタイミング、言い方、そしてフィクションの有無が面白さを分けるのだ。こうやって、わしもブログを書いているけど、そのままにわしの日常なんか書いても自分が鬱になるだけだし、読んでても面白くない。だから、本当と嘘が7:3くらいで構成されている。
 酔っ払った友人から電話があった。という出来事に対して、電話をしてきた大松という人間の素面の時とのギャップを強調したり、本当はそのときはそこまで卑猥な単語を吐かなかったけど、別の機会に聞いた言葉をその場面に持ってくるなどして、面白くしようと努力しているわけであるし、わし自身も話をでかくする爽快感を味わっているわけである。(それでも、つまらないのはわしのセンスの無さです。許して)
 三田誠広のすごいのは、頭のねじがぶっ飛んでいるというか、その話の中で存在するフィクションとノンフィクションのラインがなくなってしまって、それらがるつぼと化していることである。なので、聞いててUFOを目撃した人の話を聞いているような心境になる。そりゃ嘘だろ!!と。
 しかし、それゆえに講演は物語じみて面白いのだ。「いちご同盟」のエピソードなんて、感動してしまったくらいだ。
 そんなわけで、夏休み中の課題本として三田誠広の「僕って何」と「いちご同盟」を読もうと思った。

 というか、今年のテーマは「愛」なのに、北村薫は愛について触れるというよりも、結構話がコースアウトしてたので、今回は三田誠広の勝ち。
 あと、会場の冷房が効き過ぎて風邪が悪化して2時間目で帰ったので荒川洋治聞きそびれた。来年は厚着で望みたい。