映画サークルのエキストラ

 夏休み最後の日だというのに、スーツ姿で電車に揺られる。明日から電車の中で急に始まる新体操・吊り輪の選手権を見なくてすむと思えば気がらくだ。しかし、スーツは暑い。大学に入るのにあわせて買ったものなので、もちろんサマースーツなんかじゃない。ワイシャツも長袖。クールビズ?それっておいしいの?
 そんな姿で小道具のカメラを持って殺到する記者のエキストラをやってきた。大学の前で。
 実を言うと、映画サークルには部室にある漫画を読みに行ってるようなもので、撮影に参加するのはほとんど始めてであった(GWの合宿は含まない)。その撮影風景をうちの大学の学生は素通りだが、そうじゃない人は何事かと野次馬のように遠くから見ている。写真をとる人もいる。これは恥ずかしい。
 まだこれは映画祭のCMなので軽めでいいけど、本当に一本映画を撮るとなったらだいぶ疲れるのだろう。軽めである今日だけでもワイシャツが汗だくなのだから。
 とりあえず、撮影後トイレで鏡を見ながら、わしってふけ顔だけどスーツを着ると似合わない。つまり、そこまではふけてないなぁって思った。中途半端な狭間な年頃。