みんなすでに書いているけど

　麻耶作品の売りは奇妙なねじれだと思う。「夏と冬の奏鳴曲」「痾」なんかの続編であって続編でない、という奇妙なつながり方なんかが麻耶作品を読むときに読者が味わう気持ち悪さの代表例であろう。
　麻耶作品の中では比較的読みやすいが、一部のキャラクターの台詞がもろにメルカトルや香月のようであり、なおかつ最後の最後で麻耶の味をしっかりと出すあたりに注目したい。