ブラッド・プライス/タニア・ハフ 和爾桃子

ブラッド・プライス―血の召喚 (ハヤカワ文庫FT)

ブラッド・プライス―血の召喚 (ハヤカワ文庫FT)

 地名買い。トロントってあこがれません?
 当初、ミステリーだと思って購入したが、内容はファンタジー。ファンタジーも嫌いじゃないというかむしろ好きだったので読みすすめたが、一度躓くと、もうわけがわからんままに。
 主人公が元刑事の女探偵という設定は、「強い女」が好みなわしにはジャストミートだったが、あまりにもわしの頭の中にあるハードボイルドの探偵にマッチしすぎてて、ごつくなる一方。あと、口癖が「チックショウ」なのもちょっと萎えた。元は「オーマイガッ」とか「シット」とか言ってるんだろうけど、それならいいとしても「ちっくしょう!ちっくしょう!!ちっくしょう!!!」
とか叫びながらかんしゃくを起こす女探偵にはキャラ萌えもできないでがんす。
 しまいには、とりあえず450年生きている吸血鬼に対して「450年も生きてるなら、あっちのほうもさぞかし上手なんだろう」とか妄想して発情しかけたりと、結局、「ビッチじゃねぇか」とわし、げんなりの一冊。
 以下ネタバレ
 当初は吸血鬼を模した連続通り魔事件を元刑事の女探偵が追う、というストーリーかと思ったが、途中から本物の吸血鬼が登場し「われわれの種族に疑いがかかってくると迷惑だから犯人を捕まえろ」という話に。結局、オタクの大学生が悪魔召還を行っていたわけで、トリックも何もない。
 ストーリーもこの上なく都合が良すぎる。あからさまに都合のいい協力者の出現とかどうでもいいです。面白くすべきところをはしょって、どうでもいいところが長い。わしにはそういう印象が強かった。
 シリーズ物の一冊目ということなので、おそらく次の巻あたりで本当にセックス描写が出てくるんだろうなぁとかんぐっている。
 これと一緒に買った「かもめの叫びは聞こえない」も主人公が女FBI捜査官ときてちょっと手が止まってしまった。