3日目

 そんなこんなで最終日である。目が覚めてみると、外は雨模様。とことん天候に恵まれない。
 朝食をとりおわったころには幸いにして雨は雪へと変わっていたので、チェックアウトを済ますとすぐさまスキー場へ。山頂付近に中級コースが密集しており、ここからタカシを突き落とせば滑れるようになっているだろうという目算であった。というか、去年ヨシアキを滑れるようにした手段であった。
 しかし、ここでタカシに大きな問題発生。彼の身体的事情がスキーにあっていないことが発覚。短いコースであっても一時間以上かかってしまった挙句、結局、彼は滑れるようにはなれなかった。両足が固定されるスノーボードならまだしも、スキーには厳しい。そんなわけでまったくわしは横で応援するくらいしか出来ないままバスの時間のために下山。
 まったく滑り足りない気持ちで野沢温泉スキー場を後にした。

 バス車内でみんなお疲れで寝ている中、ツノダとセージがいように元気で延々しりとりを続けていた。というか普段は寡黙なセージがしりとりに大人気なくなり、地名縛りの時に「"ツーサン省"。中国の地方だよ」とか「5回勝負っていっただろ?な?な?」などというなかなか情けないので笑いが止まらず。気づいたら「なぁ、"ツバル"って国はあり?」とか審判をすることになる。「須藤元気はスポーツ選手だから芸能人じゃないだろう」とか「このしりとり界のボブ・デービッドソンめ」などと罵りあいのひと時。
 東京に戻ってきた頃には夜9時を回り、しりとりは英単語のカタカナ読み縛りでセージが"ン"で終わってしまい「いや、ンじゃない、Nで続行だ。ほらNで始まる単語!」とわめいていた。
 この日、東京は強風のため、電車という電車が遅れていた。われわれの武蔵野線にいたっては西船橋で折り返し運転となっており、迂回ルートをたどるはめになったりで大変だったのだが、まぁそこらへんは省略。テレビカメラが何か撮影していたのでわざと前を横切った挙句、「田舎っぺの物まね」とか言っていたりしたけどこれも省略。

 なんだかんだで天候には恵まれなかったが、楽しい旅行となった。何人か春から関東を離れることになったりで、大々的に会うのは最後になるんじゃないかと思うと寂しくなる。
 かくして我らが2泊3日の温泉旅行は終わりを遂げた。