2日目

 今回の旅行は高校時代の仲良かった連中6人によるスキー旅行なのだが、昨日はツノダがあまりにもMVP的な活躍を見せたおかげで、他のメンバーがかすんでしまった。

 朝起きて早速外を見てみると、雨はやんでいた。やっとスキーに出かけることができる。
 前日、あの後温泉を捜し求めて、温泉街を迷子になり風邪を引いて寝込んだツノダを部屋に放置して、我々は旅館から徒歩5分というスキー場へ。
 スキー経験の無いタカシ、初挑戦のスノボに挑むヨシアキちゃん、そして、数年ぶりに長い板を履くわし。
 そんな不安な面々を連れて早速、タカシ・ヨシアキをスキースクールにぶち込むべくインフォメーションセンターへ。
「あー、こっちのスクールは閉鎖しちゃったんだよね」
 ゴンドラで山頂のほうに行けば、そちらのスクールはやっているらしいが、ゴンドラで山頂へ上るのは億劫だということで、ヨシアキちゃんは一人隅っこで練習。タカシをわしとクニとセージの三人でレッスンということに。

 そこらへんは汗流れる苦闘があったわけで省略させてもらうが、ヨシアキちゃんがどったんばったんとスノボの鬼練習の末に離脱、タカシも共に離脱となり、3時をすぎてようやくわしらものんびりと滑れる段になった。
 野沢温泉スキー場名物といえば、悪名高きシュナイダーコース。伝説のスキーヤー、ハンネス=シュナイダーの名を冠すこのコースは日本屈指の何度を誇ることで数多くのスキーヤーを屈服させてきた。
 わしもいざこのコースへ挑まん!と今回、野沢温泉スキー場を選んだのであった。
 シュナイダーコース、序盤はやや急めな斜面が広がるのみ。40度くらいの斜面であれば、楽勝のわしはいかにすればかっこよく滑れるかを模索するため他の人のストックの動きの持ち方をまねたりする余裕を見せる。
 しかし、迂回路をすぎたところでこのコースはまったく豹変する。先ほどよりも急な斜面に高さ1mちかくのコブで埋め尽くされたゲレンデが広がっている。前日の雨のおかげで程よい堅さになったコブたちがわしを待ち構えて並んでいる。その様、山脈の如し。
 一度、煽られて転んだら最後。氷化したコブはわしの身体を止めてくれず、そのまま横になった体勢のままでこぼこの斜面を滑り降りることに。結果、シュナイダーコースの半分を尻で滑り降りる。結果は惨敗である。
 シュナイダーコースを横臥した姿勢で滑ってる最中に、雨が降り出したので、結局自由時間をそんなにすべることなくわしも宿へと避難することに。

 宿ではひたすらトランプの大富豪。タカシがイレブンバックの際に「バック!!」「バックでやるぜ!」と生き生きとしだす。黙ってるとイケメンなのにわしよりコアなシモネタ男なのが理不尽だと思った。