バッカーノ!1931 鈍行編・特急編―The Grand Punk Railroad/成田良悟

yuminaga君から強奪。特急編は無いということなので自腹。

 シカゴ発ニューヨーク行きの貨物列車“フライング・プッシーフット”号。禁酒法時代の最中、大陸中で密造酒を売りさばく禁酒場列車。
 フィーロたちを訪ねるためニューヨークを目指す、カリフォルニアで時代遅れのゴールドラッシュに精を出していたアイザック&ミリアの泥棒カップル。
 列車が運ぶ爆弾を強奪するべく列車強盗をたくらむ、シカゴで急成長中の不良集団“ジャグジー”一味。
 逮捕された指導者を奪還するため、上院議員の家族を含む列車の乗客を人質にしようというテロリスト“レムレース”。
 シカゴのマフィア、ルッソファミリーから離反し、列車の乗客を人質に鉄道会社から金をせしめた挙句、乗客を皆殺しにしようという殺人狂ラッド・ルッソ率いる“白服集団”。
 さまざまな陰謀を抱えた列車。その出発の汽笛が鳴る。

 鈍行編ではジャグジーらを中心とした物語を、特急編ではこのフライング・プッシーフット事件を別の視点から見る事で鈍行編では明かされなかった謎にスポットが当たる。
 伏線が多く張られ、煙に巻かれたように先が読めない鈍行編と、その鈍行編で最大の謎であった錬金術師や“線路の影をなぞる者”の正体が特急編であっさり明かされるかわりに新しい謎を提示したりと物語をとめることなく転がしてゆく。
 前作同様、勢いで一気に読めてしまった。クレアとかシャーネとかラッドとかが超人的強すぎて、ジャグジーとグースの鈍行編における戦いがお遊戯レベルなのでちょっと噴出した。