賭博と漫画

 ハチワンダイバーが賭け将棋の漫画として、将棋協会から嫌な目で見られているという話をしていたら、色々なジャンルの漫画に賭博の描写があるのに、ゴルフ漫画って実際のゴルフでは公然と行われている賭けゴルフに対して、漫画の中では握ってる描写がないなという話になった。
 ゴルフの漫画で握る描写がない理由として、

  1. 漫画の中での現金のやり取りは無意味である。
  2. スポ根漫画として成立している
  3. 派手に命を賭けるような描写が描きにくい。

というのがあると思う。

 賭博というものにはダーティーなイメージがつきまとうものである。JRAも「好きな馬を応援しにいこう」と言っても、「勝ちそうな馬に賭けにいこう」とは言わない。あくまでも競馬はスポーツなのだ。
 しかし、賭博は現在も公然と行われている。毎朝、パチンコ屋には行列ができるし、フリー雀荘も盛況だ。ディープインパクトだってあの人気を得る前は「よく走る馬」という認識だったはずだ。
 ひとえにそれは賭博の持つスリリングさにあるといえる。どんなゲームであれ、金を賭けてみると急に奥行きが深くなる。
 しかし、話を戻すと漫画に賭博描写は無くてはならないのか?敗北=死のバトル漫画や、敗北=夢(甲子園、国立競技場、インターハイetc)の終わりのスポーツ漫画と違い、麻雀や将棋で負けてもそいつが失うものは無い。ちょっと悔しいくらいだ。「あー、あそこは惜しかったな(ワイワイ)」「なんでチーピン切ったんだよ」なんて、盛り上がって帰る面々。それなんていましろたかし
 そんなわけで漫画はデフォルメされた死に等しい凶悪なレートでの戦いが繰り広げられる。血を賭けたり、人生を賭したりすることになる。というか、漫画の登場人物が懐から財布を取り出して万札取り出したりしても面白くない。
 ようするに握りゴルフを魅力的に描ききる要素というのは、漫画描写として少ない。風の大地の序盤に主人公が握りゴルフをするシーンがあるが、正直そんなのは物語においてどうでもよい(生生しく練習生の生活を描写しているという意味ではとても重要なシーンなわけだが)盛り上がりを左右するものではなかった。金をかけなくてもゴルフはゴルフで盛り上がる要素を持っているということである(ホアー!小池さん)といっても、わし正直、あまりゴルフ好きじゃないんだけどね。

 しかし、競馬や競輪漫画はあれど、基本走る側、選手、騎手、馬、調教師にスポットがあたったスポーツとしての側面を描いた漫画はあるけど、観客側にスポットをあてた漫画ってないよね。耳に赤鉛筆挟んで、「次はあの馬が来る」とかずっと言ってる漫画。面白くなさそうだ。