IBSは男色ディーノの試合を放送したほうが良い―内藤対亀田2号の放送について

 TBSの亀田に対する見限り方が酷すぎる。内藤に対してインタビューでちやほや。
「反則をされたとき、カチンときませんでしたか?」
 亀田も亀田だが、これはさすがにかわいそうだと思った。内藤もテレビに出たら亀田一家と同じになってしまうだろうし、そっとしておいてあげればいいのに。
 TBSはスポーツを放送する上でいろいろなものが欠けているんじゃないか?
 ボクシングってスポーツはドン・キングやボブ・アラムのような悪徳プロモーターが跳梁跋扈するスポーツ、というか欧米における庶民的なスポーツってのはビックマウスが美徳とされるような一面や、ダーティさが許容される部分が多い。
 日本の格闘技というのもその伝統をしっかりと受け継いでいて、亀田一家はでかい口を叩けば叩くほど、DQNな発言をすればするほど、話題を引き起こしてきた。わしはそういった、スポーツの一面を認めるし、サッカーなんかにおいても、わざとファウルで敵を止めたりする選手もいる。ショースポーツは健全であるべきである一方で、観客の注目をあつめなければならない、派手でなければならないからだ。
 同じ事情から、沢尻エリカもパリス・ヒルトンあたりの真似をしたかったんじゃないかとわしは踏んでる。次は飲酒運転で逮捕DA!!
 話がずれたが、そんなわけで亀田一家はうざくてうざくて仕方が無いけど、亀田をプロデュースしてる連中にとってみればあの一家が倒されることが「国民の期待」にまでなるということは大成功だったんだと思うし、そのスタンスに関しては非難しない。
 しかし、それに対してのTBSの転身の速さはいかがなものか。内藤は亀田と比べて地味だ。苦労人や努力家というのは世間一般からマイナスイメージを受けにくい。わしも内藤の姿勢は大好きだし、チャンピオンになるべくしてなったと思っている。それでいても努力家タイプはショースポーツとして注目を浴びにくい。そもそも、わしらが内藤が苦労したって話はテレビなどのマスコミ、メディアを通して知っているわけで、とっぴなことをいえば内藤は20代後半までボクシングをしたことの無い、ボクシング歴では亀田と同じくらいだったりするかもしれないということを、ボクシングファンで内藤を昔からずっと見てる人以外は否定する術を持たないわけだ。
 ビックマウスなキャラクターはやりやすい。カメラの前で「負けたら切腹するよ」とか「王者は金色が似合うんや」とか言ってれば良いんだもの。逆に内藤が苦労人だってのはカメラでは分かりにくい。「肩こりが最近酷くて」とか「目がショボショボする」ってカメラの前で発言って、それは老人だ。滑ったが、そういうわけでTBSとしてはやっぱり視聴率を稼ぎやすいのは亀田だ。たとえバッシングや苦情であっても、亀田にはそれだけの反響を呼び起こすことができるということだ。
 そういうわけで亀田偏重主義を貫いてきたTBSが壮絶な泥仕合、内藤の反則、亀田2号の相撲技を放送したあとで手のひらをかえすように内藤をヨイショしはじめたのにはなんともいえない気持ちになった。
「結果から言えば彼らのおかげで、内藤選手とこの町の知名度も上がった。亀田一家には感謝している」
とか内藤の出身地の人がインタビューに答えてたけど、まったくその通り。メディアの中における内藤のキャラクターは亀田一家のおかげで成立しているのに過ぎない。
 これって、まんまプロレスだ。WWEロウの劣化版じゃないか。TBSは内藤対亀田。ベビーフェイス対ヒールによって瞬間最高視聴率40.9%がたたき出された。アントニオ猪木は亀田に対して「まだキャラができていない。悪役だったら、もっと徹底的に悪役になった方がいい」というコメントをのこしている。なんというか、ボクシングなんかテレビで見るよりもWWEのDVDを買ったほうが面白いし、わしは絶対オススメする。現状の日本ボクシングも、精神障害を持ってるけど天才的ボクシングセンスを持つボクサーやリングの下から飛び出してきてレフェリーの死角から相手選手に攻撃をする小人症のセコンドとかを考えたほうがいいと思うよ。
 そんな話はおいといて、色々な方向からみても、今回のTBSのスタンスには色々な低レベルさを感じざるを得なく、嫌いではあるが、在り方としては認めていた亀田一家の存在をも吐き捨てる扱いにはなんともいえない気持ちである。
 あの一家、これからヤクザの用心棒として暮らしていくんだろうな。んで10年後あたりに2号が逮捕されて、ちょっぴり思い出されるんだろうなぁ。