覚悟の扉―ダブルクロス・リプレイ・アライブ/矢野俊策・FEAR

私立瀬戸川学園に通う高校生、七村紫帆はある日の夕方、路地裏で化け物と出会い―――殺されてしまう。だが、とある偶然から彼女は蘇生する。だがそれは、オーヴァードとして日常から離別することだった……。

 オーヴァード=あるウィルスのおかげで特殊な能力を得た超人。ファンタスティック・フォーやX-MENみたいなもの。
 ダブルクロスというゲームに対して、当初は「ブギーポップTRPG化」という印象であった。
 ロイス・タイタスシステム、ジャーム化という、オーヴァードが現実世界に対しての繋がりを失い、その能力におぼれてしまうと化け物化してしまうというシステムの肉付けと雰囲気作りは巧みだし、このリプレイシリーズをとおすことで作者はこの世界観に深みをつけて、ライトノベルの二次創作としての日本TRPG世界観というものに対して自らのゲームに独自性を見出しているということに感動。
 いろいろな意味で現代日本とは何かをあらわしている世界観なんじゃないかしら。
 瀬戸川学園という学校名が中の人の母校とクリソツなのでトラウマ。