Fallout3/ベセスダソフトワークス

 これは間違いなく今年最高のRPG。あとは18日発売のFableくらいか。
 核戦争によって荒廃したアメリカのWasteland(かつてのワシントンD.C)を舞台に安全な核シェルターを出ていった父を探し旅をするゲーム。
 真の意味でのRPGを目指すというのはOblivionから続いている。善人にも悪人にもなれる上、やりたいことはなんでもできる自由度の高さは健在だ。
 銃火器を片手に襲いかかってくるレイダーやはじめとした放射能によって変貌し凶暴になったモンスターを蹴散らす爽快感は格別。
 1950年代の人々が想像した核戦争の後の世界というFalloutシリーズの世界観。当時の映画やSFをモチーフに荒廃した世界を描き出している。その想像は2000年代で未だ核戦争を経験していない我々からするとシュールでおかしい部分が数多くあるのだけど、そこらへんも上手く再現していて笑えてくる。
 一部を紹介すれば放射線をあびたせいで生き長らに身体が朽ちた(死してなお動き続けている?)グールたち。これはジョージ・A・ロメロのナイト・オブ・ザ・リビングデッドバタリアンなんかを彷彿させてくれる(ちゃんと意志を持ったグールなんかも結構居て、人間たちの奴隷になっていたり、地下に自分たちの街を作ってるやつもいる)
 また戦争直前まで人間は原子力の恩恵を享受していたのか、そこらへんに廃棄されている車は核分裂エンジンを搭載。もう動くことはないけれど銃撃戦の際につい車を遮蔽にとると弾がまだ残っていた核燃料に引火、核爆発なんて事態になるぞ*1
 またこの世界でもっともポピュラーな飲み物、ヌカ・コーラについて紹介したい。この中にある限定品のヌカ・コーラは放射性物質を混ぜてあるので美しく青く輝くのだ。ポーションも裸足で逃げ出すぜ*2
 他にもカーペンターの放射能Xをモチーフにしたクエストがあったり、ゲーム中に出てくるイラストや音楽は1950年代風だったりと凝りまくっているので世界をさまようだけでも飽きない。
 まあそれでも頭の中に浮かぶのはずっと北斗の拳なんだけどね。

 ゲームの中で、核シェルターでの自分の将来の仕事を決めるG.O.A.T試験というのがあってその第一問が

Vault(核シェルター、およびその中に住む人のコミュニティのこと)の狂った科学者があなたに言いました。
「私のクアンタム・ハーモナイザーをあなたのフォトニック・レゾネーション・チャンバーに入れる」
あなたはどうしますか?

だったときには、上野顕太郎の漫画が頭をよぎった。

*1:核燃料は銃弾なんかで爆発しません

*2:今ジュースなんかによく入っているアスパムテールとかは発ガン物質だしここら辺は笑えないジョークだね!